eScan

北陸電力株式会社 営業本部室 様

充実機能と直感的UIで意思決定を加速。日々進化を続けるeScan

写真左から:enechain柴田、北陸電力 営業本部室小幡様、保東副室長(撮影者:enechain沢辺、WEB参加:enechain田中)

ETRM導入のきっかけと背景

柴田: 本日はよろしくお願いいたします。早速ではございますが、北陸電力営業本部室様がETRMの導入を検討されたきっかけと、当時の背景についてお聞かせいただけますでしょうか?

保東:よろしくお願いします。そうですね、ETRMの導入へ向けた検討の背景には、いくつかの喫緊の課題がありました。直接的なきっかけとしては、ロシアによるウクライナ侵攻です。この地政学的な事象により、エネルギー市場全体の価格が大きく変動し、従来の電力の調達方法だけでは安定的な電力供給と収益の確保が困難になるという強い危機感を覚えました。当時は、他電気事業者の事業撤退などもあり、新たに当社と契約を希望されるお客さまからの申込が急増(戻り需要)したこと等から、必要な電力をタイムリーかつ適切に調達することが難しく、市場調達量が収益に悪影響を与えるという事態が顕在化していました。

沢辺:電源調達に課題感を感じられていたわけですね。調達方法だけでなく、市場リスクを含めたリスク全体に対してもより一層課題感が大きくなった時期ではないのでしょうか。

保東:はい、その通りですね。市場リスクを含めリスク全体に対しては、合理的なリスク計測の手法を新たに取り入れたいという強いニーズがありました。弊社の従来の考え方でリスク量を算出しようとすると、どうしてもリスクの総量が過大に評価されてしまい、結果として事業成長の機会を大きく損なう懸念がありました。加えて、市場調達は、事業リスクが大き過ぎるのではないかという社内からの声もあり、より慎重なリスク評価と管理が必要なのではないかという問題意識がありました。このような複合的な理由から、より高度なリスク管理体制の構築が不可欠であるという認識に至ったことが、ETRM導入検討の大きな背景です。

eScan選定理由

沢辺: 数あるETRMの中から、最終的にeScanを選定された決め手は何だったのでしょうか?

保東: eScanを選定した最大の理由は、単なるシステム導入に留まらず、我々自身がリスク管理の手法を深く理解し、確立していくことが最も重要であるという考え方と、enechainの提案が合致していたからです。当時、リスク管理に関する知識やノウハウが十分とは言えなかった我々にとって、enechainの方々の専門的な知識や豊富な経験に基づいたアドバイスを受けられる点にも価値を感じました。もちろんeScan自体も高く評価しております。インターフェースが従来のExcelを用いた管理と比較して、格段に見やすく、直感的に理解しやすいものであることに加え、長年、担当者個人の経験や勘に頼ってきた、いわば暗黙知として共有されていた情報を、eScanによって誰もが客観的に把握できる状態にできるという点に、大きな魅力を感じました。

eScanの業務活用

柴田: 日頃eScanをメインで使用する小幡さんにとって、eScanの機能のうち、特にどの機能が業務に貢献していますか?

小幡: いくつかあるのですが、まず挙げられるのはeScanに搭載されているシミュレーション機能ですね。この機能はリスク管理や取引検討を行う上での必須機能だと思います。ある取引を行った場合に、どれくらいの収益やリスク量(EaR)が変動するのかを手軽に計算でき、Excelで検討する場合と比較して、格段の業務効率化をもたらしました。そもそもEaRの算出はExcelでは到底できそうにないですし…。様々なパターン別の計算結果を、そのまま社内の調達に関する会議で活用することで、迅速かつ定量的な視点を含めた意思決定に繋がっています。それこそ以前はExcelで作成した資料を用いて報告していましたが、報告を受ける側からも、eScanのグラフやシミュレーション結果の方が遥かに分かりやすいという声が多数寄せられています。

田中:ありがとうございます。小幡さんにも感じていただいているように、eScanのUIUXは、ユーザーの皆様から大変好評をいただいている要素です。特にシミュレーション機能のデザインは、弊社のエンジニアやデザイナーが協力して何度も刷新を行った背景があり、足元でも更なる利便性向上へ向け検討を進めている最中です。

小幡:そうだったのですね。確かに、私から要件をお伝えした粗利益の分解機能や、データ登録時のポップアップ表示など、日々の実務において非常に役立つ細やかな機能が高頻度でアップデートされることも、現場担当者としては非常にありがたいと感じています。eScanはより使いやすいシステムに日々進化していますね。

柴田:そうですね。eScanは一気通貫して弊社のエンジニアが開発・保守運用していることもあり、レスポンスの速さや顧客理解は随一だと思います。他に有用に感じる機能はございますか?

小幡:デイリーで電力需給ポジション、PL、リスク量(EaR)が洗い替えられる機能ですね。enechainに取引仲介いただいた卸取引情報が自動連携される他、eCompass(enechainが提供する統合的な電力・燃料市況等情報サービス)から連携される最新の電力・燃料価格想定に基づき、PLやリスク量(EaR)が自動で最新化されているため、担当者によって市場価格の前提が異なるという問題が解消されています。それにより、上司を含めてチーム全体で市場の状況や電力取引の意義を説明する際にも、共通の認識を持つことができ、取引戦略を検討しやすくなりました。

柴田:ありがとうございます。保東さんはマネジメント側として、どのようにeScanをご利用されていますか?

保東: 主な利用シーンとしては、小幡をはじめとする担当者が電力取引に際しeScanで分析・作成したシミュレーションの結果を、執行判断を下す際の重要な判断材料として活用することです。特に、調達量と価格の決定に迷う局面において、eScan上で様々な取引のバリエーションを一元的かつ分かりやすい様式で比較検討できることは非常に有用です。例えば、過去には電力のヘッジ量が不足する可能性が高まった際に、不足分を追加調達した場合と、スポット市場から調達した場合の粗利益の変動と、それに伴うリスク量(EaR)の増加をeScanで詳細に比較検討しヘッジ取引を実施すべきかどうかの判断に役立てました。

eScanの活用に関する今後の展望

柴田:これからの御社のリスク管理・取引執行体制の展望を踏まえ、今後eScanをどのように活用していきたいとお考えでしょうか?

保東: 今後の展望としては、大きく二つあります。一つ目は業務のサイクル化・高度化です。まずは引き続き、eScanによるリスク分析の結果を実際の電力取引という実行段階にしっかりと結びつけていくことが重要なアクションだと認識しています。二つ目は組織全体のナレッジ底上げです。リスク管理体制の強化は常に重要なテーマであり、社内においては、eScanの活用をさらに推進することで、組織全体のリスク管理に対する意識を高めることが可能と考えます。また、人事異動などで新しい担当者が配属された際には、eScanが電力ビジネスの全体像やリスク管理の考え方を理解するための、非常に有効なオンボーディングツールになるのではないかと期待しています。加えて、enechainとの日々のコミュニケーションを通じて、リスク管理に関する課題を共有し、解決に向けた取り組みを継続していくことも重要だと考えています。