eScan

株式会社U-POWER 様

基盤システムとしてのeScanが経営判断を後押し

写真左から:U-POWER 経営企画本部 電源戦略部 電源戦略課長 兼 経営管理部 経営管理課 Director 渡邉様、執行役員 経営企画本部 経営管理部長 兼 電源戦略部長 小俣様、enechain柴田
(撮影者:enechain沢辺、WEB参加:enechain田中)

ETRM導入のきっかけと背景

柴田:本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、ETRMの導入を決定された背景について教えていただけますでしょうか?

小俣:こちらこそよろしくお願いいたします。弊社は元々市場連動型の料金プランを主軸に展開しておりましたが、電力市況が安定してきたことに加えて、お客様の市場連動以外の料金ニーズが高まる中で、更なる事業の発展には旧一般電気事業者様に近しい構造の料金体系が必要な状況となりました。その際、より一層市場リスクと向き合いながら売上・利益を確保することが重要と判断し、リスク管理体制の拡充へ向け、ETRMの導入を検討しました。

柴田:ありがとうございます。検討当時、ETRMのコストについてどのように考えていらっしゃいましたか?

小俣:ETRMの費用は小売電気事業を営むうえで必要なコストと考えております。そもそもETRMは単純な業務改善システムではなく、CISや経理システムと同列の、事業運営に必要な基盤システムだと考えています。野球をする際はバットだけでなくグローブも必要ですよね。それと同じような必然性を感じます。また、導入によって直接的に利益を獲得しようというよりは、恣意的ではなく、客観的に評価できるリスク管理基盤を持つことが、小売電気事業のあるべき姿だと思っています。弊社のみならず、どのような規模の会社でも、リスクフリーでの成長は難しいと考えており、複雑化した小売電気事業においては、早い段階からリスク管理に取り組むべきだと思います。

eScan選定理由

柴田:数あるETRMの中から、なぜ弊社のeScanを選択されたのでしょうか?

小俣:ETRMなら当然備えているべき機能として、電力需給ポジションの見える化だけでなく、リスクの定量化が挙げられますが、eScanはリスク計測方法の説明性が高く、特にロジカルに計算される「アーニング・アット・リスク(EaR)」は意思決定において、存分に使えるレベルだと判断しました。また、最終的なアクションは日々のリスクモニタリングだけでなく、電力取引によるポジションの最適化です。ETRM選定時はポジションの最適化に向けた取引へシームレスに繋がる点を重視し、元々電力取引仲介を生業としていたenechainのeScanを選択しました。他社とは異なり、電力取引までを視野に入れた支援に期待しました。

柴田:enechainのETRMだからこそ評価いただいた部分も大きいのですね。

小俣:はい、他社にもリスク管理指標として「バリュー・アット・リスク(VaR)」を使っている会社や、より高度なアプローチをとっている会社もありますが、eScanの良い点は、前述のとおりリスク計測手法が論理的で説明性が高いことです。また、enechainが開発からオンボーディング、リスク管理支援まで一気通貫で行っているため、ETRMで単にリスク量を把握するだけでなく、その後の対応策まで相談できる点が良いと思います。電力需給ポジションが見え、リスク量も見える化したうえで、次の打ち手をenechainのメンバーと一緒に検討できる点は非常に評価できます。

eScanの業務活用

柴田:eScan導入後、意思決定や社内レポーティングに関して何か変化はありましたか?

小俣:まず、EaRの考え方を経営層や部長以上の会議でインプットしました。また、毎週1回実施している全社ミーティングでもEaRの推移を説明しています。加えて、毎月1回実施している弊社の取締役会でも同様の報告をしています。なお、電力調達の意思決定においては、価格だけでなくEaRも判断の指標として考慮するようになり、電力取引に伴う意思決定が大きく高度化されたと考えています。

柴田:ありがとうございます。渡邉様はいかがでしょうか?

渡邉:小俣が話した内容と重複する部分もありますが、市況変動の大きい小売電気事業において、何らかのリスク管理指標が必要だと感じていました。恣意的ではなく、外部の企業が算出した価格想定などに基づいた客観的な指標が日々の活動や報告に役立つと期待しています。eScanのリスク計測手法は論理的なだけでなく説明性も高いこともあり、社内でもオーソライズできるようにしました。

柴田:実際にeScanを使われる中で、どのように習熟していかれたか、工夫されたことはありますか?

渡邉:端的に申し上げると、私は使い込むしかないと思っています。Excelの作業結果と照らし合わせながら、eScanで何ができるのか、何がまだできないのかを確認し、Excelで実現できないことは要望として伝えるようにしていました。私自身のやりたいこととeScanの機能をすり合わせし、高度な計算についてはなるべくeScanに作業を寄せていくことを意識しています。

柴田:eScanでの可視化の後はどのようにアクションをとっていますか?

渡邉:日々、電力や燃料の価格想定が自動更新されるので、粗利想定やリスク量の変化をモニタリングしています。また、例えば取引提案を受けた際に、取引量、提案価格、先方が提示する燃料価格の見通しなどが、自社の電力需給ポジションの最適化に寄与するか、取引後もリスク量が許容できる範囲であるかをeScanのシミュレーション機能で確認しています。もし、eScanがなければExcelを使っていたと思いますが、Excelでは複雑かつ属人化してしまい、スピードも遅くなるという課題がありました。そして、そもそもリスク量の計算はExcelでは困難であるため、eScanは大活躍していますね。

eScanの活用に関する今後の展望

沢辺:今後、U-POWER様が描く事業展望の中でeScanはどのような役割を果たすとお考えですか?

小俣:今後はリスクヘッジ一辺倒ではなく、リスクとどう付き合うかが重要だと考えています。成長に向けた投資を考えるうえで、リスクとリターンのバランスを説明できることが前提であり、リスクをゼロにするのではなく、可視化されたリスクを認識しながら事業を進めていくことが重要だと考えています。その点、リスクを適切に管理しながら、持続的な成長を目指していくうえで、eScanは不可欠なツールになると考えています。そして、弊社のより一層の成長のためには、リスク管理をしっかりと行い、安定した事業運営を実現していく必要があると考えています。今後enechainには、様々な情報を持つ第三者として、客観的な評価や批判的なレビューも含めたコンサルティングに期待しています。

渡邉:販売側の観点では、リスクヘッジは重要という前提はありながら、過度なヘッジによって販売価格が上がり、需要家に受け入れられない料金メニューになることは避けたいのではないかと、私は考えます。販売と調達のバランスを取りながら、許容できるリスク量の範囲内で適切な取引を行い、需要家にも適切な価値を提供していくことが重要だと思います。今後も需要家のリスク選好性にも機敏に対応しながら、提供する料金メニューのバランスを取り、事業の安定と成長を目指していくうえで、eScanは重要な役割を担うと考えています。

田中:なるほど、ありがとうございます。弊社の開発チームや日々のコミュニケーションに関して、何かご感想があれば教えてください。

渡邉:私自身はこれまでのキャリアの中では小売電気事業者向けにシステムを提供する立場だった時期もあり、enechainの良さは身に染みて感じています。私からの複数な要望一つ一つに対して親身にヒアリングいただいたり、システム実装前にExcelで、近い機能のアウトプットも迅速に提供いただいたりと、非常にユーザーに寄り添った対応をされていると感じています。システムでのアウトプットに固執せず、本質的な価値の提供を重視する貴社の姿勢は素晴らしいと思います。